耐えるサウナとサバンナはここが異なる。フィンランドから学ぶサウナを味わうとは Vol.1
日本人はやはり耐えることが好き!?
フィンランドからやってきたサウナ。古くから日本にある湯治の文化とも相まって、サウナ文化は日本でも親しまれてきた。近年ではサ道をはじめとしサウナ文化が広がりを見せ、若年世代にも親しまれている。サウナと聞いてどんなイメージを持つだろうか。90度近いサウナ室の中で10分、12分…….無になりながらあるいは考え事をしながらじっと耐える。己の限界を超えた先にあるキンキンに冷えた水風呂、そして水風呂後のととのいの時間、今すぐ逝ってしまいそう。そんな感覚であろうか。
これは忍耐は美徳ともされる日本人の性格に由来するものだろうか。石の上にも三年ということわざがあるが、学校環境や労働環境、同調を好む社会性…..短い時間の中で「耐える」と「解放される」がハッピーセットになったサウナが好まれる理由は少なくともこういった文化に由来するのかもしれない。
では、本場フィンランドも耐えるサウナの文化なのだろうか。そう思った私は、乗り継ぎの時間を利用しフィンランドの首都ヘルシンキの中心部にある「Allas Sea Pool」へ向かった。
https://allasseapool.fi/?lang=en(公式サイト)
本場フィンランドの大衆サウナ
まずサウナ室に入って驚いたのは、時計と温度計がないこと。体感温度としては80度前後だろうか。そして、このお店に週2,3回来ると言っていた地元のグループは30秒に1度のペースで水を軽く1杯ロウリュすること。友達同士や知らない人同士でおしゃべりし合い、自分のタイミングでサウナ室から出る。6分で退出する人から15分サウナ室にいる人まで、日本の耐えるサウナとは異なり「利用者各々が自分のサウナ空間を創っている」こと。サウナに対する考えが日本とは異なっていることに私は驚いた。
何よりもこのサウナ室で体感できたのは、熱が身体の芯に届き内部から表皮にじんわりと伝熱する感覚だ。冬の寒い日に、背後から暖かい毛布を家族や恋人にかけてもらい、ぎゅっと抱きしめてもらうような感覚とでも表そうか。さらにはサウナ室の座面で使われている木の香り。普段の日本のサウナでは耐熱することに集中して感じ取れないあるいは感じようとしない、身体を包み込む熱や匂いを味わうことができた。
次回、25mプールが水風呂!? 果たしてキンキンに冷えているのか